太いところがあったり、細いところがあったり…
線画ってむずかしいですよね…?
しかし、線画を上手に描ければ、それだけで立体感のある絵になります。
線画は主に、奥行きやかげの表現として使われます。
デジタル作画では、線画を作らずに作画する人も多いですが、立体感がある魅力のある絵作りのために、
線画の知識を知っておくことは、とても有意義かと思います。
線画の超基礎
光源を考えてつける
線画は、光源を考えたときの陰(立体陰)です。
なので、線画は光源を考えて強弱をつけていきます。
例えば、球の真上から光を当てたとき

球にあたる陰はこのようになります。

この「真上から球に光を当てた場合」を線画で表現すると、

球の上部の線を細めてやるだけで、球の立体感が表現できます。
球の斜め上から光を当てることを考えたとき

球にあたる陰はこのようになります。

この「斜め上から球に光を当てた場合」を線画で表現すると、

球の陰に合わせて線画の幅を調整してあげることで、線画だけで球の立体感を表現することができます。
線画は単に境界線というだけではなく、光の作用によって現れる陰なので、
「常に光源を意識すること」が線画を作るときの大切な考え方です。
線画の強弱のポイント
線画を太くするところ
被写体の輪郭
空間と被写体の境界線になるところ(アウトライン)は、太い線で描くことが一般的です。

境界線は内側の線よりも太い線を使うことで、メリハリのきいた絵になります。
近くにあるもの

近くにあるものは、太く描くことが一般的です。

とくに重なっているところに注意して太くしていきます。
線画を細くするところ
被写体の中身
被写体の内側(ディーテイル)は、細い線で描かれることが一般的です。

アウトラインとディーテイルを描き分けることで、より説得力のある絵になります。
遠くにあるもの

近くにあるものに対して、遠くにあるものは、より細い線で描くことが一般的です。

少し余談ですが、線画の強弱は、ラフの段階でも描き分けておくと、自分が絵を判断するのにも役に立ちます。
太くなったり細くなったりするところ
曲がっているところは、光源に合わせて細くなったり太くなったりします。

線画が曲線で「太くなるか?」「細くなるか?」は光源の位置を考えると分かりやすいと思います。


落ち影
線画がクロスするところ

線画がクロスするところには、スミだまりがよくできます。

これは光が体にあたったときの、影と考えると、スミだまりを表現しやすいと思います。

スミだまりを入れるときは、影が落ちる場所のボディーラインを考えて入れると上手くいきます。
被写体との設置部分

被写体との設置部分は、線が太くなっていることがあります。
落ち影と考えて覚えておくといいと思います。
立体陰の表現

立体陰の表現として、線画の太さの強弱で表すことができます。

物体にできる立体陰を想像して、陰の濃さにより線画の太さを考えると分かりやすいと思います。
材質による違い
材質により線画の太さが変化します。
肌、服、髪の毛など、材質を考えて線画の太さを使い分けると、より良い表現になります。

同じ材質でも量感の違いにより、線画の太さを調節することがあります。
例えば、髪の毛の毛先などです。

毛先は先に行くほど髪の毛の量が少なくなります。
毛先の少なくなった量感を、細い線で表現することがあります。
観察が大事
実際に作画するときは、上記のような様々な要素を取り入れ線画を作ります。
描き手の感性により、線の強弱は様々です。
しかし、作画や観察するとき、上記のようなポイントが線画の強弱をつける位置の参考になります。
参考にしたい絵師さんがどのようなところで線画に強弱をつけているか?
自分がどのように描けば納得がいくか?
観察しながら線画を作っていくことが重要です。
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